京葉銀行
2023
6/05

新しいNISAってどう変わるの?
現行NISAと比較してみよう

資産運用・NISA
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ホーム新しいNISAってどう変わるの? 現行NISA と比較してみよう

2023年6月5日に公開した記事です。

NISAは、金融庁が推進する少額投資非課税制度です。株式や投資信託といった金融商品を活用した資産形成を促すことを目的とし、2014年に「一般NISA」が、2018年には「つみたてNISA」がスタートしました。

現行のNISA制度の投資可能期間は2023年に終了しますが、2024年には新しいNISA制度がスタートします。

本記事では、新しいNISAと現行NISAの違いを詳しく解説します。押さえておくべき重要ポイントをしっかり確認しておきましょう。

新しいNISAと現行NISAでは、仕組みや制度にいくつかの違いがあります。まずは、それぞれの概要を以下の表で確認してみましょう。

現行NISAと新しいNISAの比較(2023年3月時点)

現行NISA 新しいNISA
一般NISA つみたてNISA 成長投資枠 つみたて投資枠
利用できる人 日本在住の18歳以上の人
制度の併用 不可
非課税対象 株や投資信託などへの投資から得られる配当金・分配金・譲渡益 一定の投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益 株や投資信託などへの投資から得られる配当金・分配金・譲渡益 金融庁が認める一定の投資信託から得られる分配金や譲渡益
投資対象商品 上場株式・投資信託など 長期積立による分散投資に適していると金融庁が認可したファンド 上場株式・投資信託など 現行のつみたてNISA対象商品と同じ
年間の投資の
上限
新規投資額で
120万円
新規投資額で
40万円
240万円 120万円
非課税保有
限度額
(総枠)
600万円 800万円 1,800万円
(そのうち成長投資枠は1,200万円)
非課税
保有期間
最長5年 最長20年 無期限
制度実施期間 2023年まで 2042年まで
(新規買い付けは2023年まで)
2024年~恒久化
  • 整理・監理銘柄および信託期間20年未満、高レバレッジ型、毎月分配型の投資信託などは除外
参考:

金融庁「NISA特設ウェブサイト」

新NISAの現行NISAからの主な変更点は、以下の5つです。それぞれのポイントを、次項で詳しく見ていきましょう。

  1. ① 一般NISA(成長投資枠)とつみたてNISA(つみたて投資枠)の併用が可能に
  2. ② 年間投資上限額が最大360万円に拡大
  3. ③ 最大1,800万円の生涯非課税限度額が新設
  4. ④ 非課税保有期間の無期限化
  5. ⑤ 制度の恒久化

変更点の1つめは、現行NISAでは併用できなかった「一般NISA」と「つみたてNISA」が、新しいNISAでは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」という名称になり、併用できるようになった点です。

現行NISAでは、積極投資に適した「一般NISA」と、長期での積立投資に適した「つみたてNISA」の併用はできません。積極投資と積立投資に資金を分配して投資することができず、それを「不十分だな」と感じていた投資家もいたかもしれません。

「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の併用が可能になった新しいNISAでは、リスクとリターンが高めの金融商品から、積立投資に適した比較的リスクが低い投資信託まで、幅広く分散投資できます。投資経験やライフステージに合わせて商品を柔軟に選べるようになったため、より計画的な運用ができるでしょう。

併用の状況(2023年3月時点)

現行NISA 新しいNISA
一般NISA つみたてNISA 成長投資枠 つみたて投資枠
制度の併用 不可

2つめの変更点は、年間投資上限額が最大360万円に拡大された点です。

現行NISAにおける年間投資上限額は、「一般NISA」が120万円、「つみたてNISA」は40万円です。仮に「つみたてNISA」を利用して、毎月、積立投資を行った場合、月々の投資上限金額はおよそ3万3,000円(≒40万円÷12ヵ月)にとどまるため、「もの足りないな」と感じていた人もいたかもしれません。

新しいNISAでは、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」を合わせて、最大360万円まで投資が可能になります。「もの足りないな」と考えていた投資家にとって、朗報ではないでしょうか。

なお、「成長投資枠」では「つみたて投資枠」の対象商品への投資が可能です。そのため、「つみたて投資枠」の対象商品に最大360万円まで投資が可能です。

ただし、「つみたて投資枠」を利用して「成長投資枠」の商品を購入することはできません。「成長投資枠」の商品のみに投資をした場合、最大投資額は240万円となります。

年間の投資額の上限(2023年3月時点)

現行NISA 新しいNISA
一般NISA つみたてNISA 成長投資枠 つみたて投資枠
年間の投資額の
上限
新規投資額で
120万円
新規投資額で
40万円
240万円 120万円

3つめの変更点は、最大1,800万円の生涯非課税限度額が新設された点です。

現行NISAにおける非課税投資枠は、「一般NISA」が最大600万円(年間最大120万円×5年)、「つみたてNISA」は最大800万円(年間最大40万円×20年)と決まっています。

ここで押さえておきたいのは、非課税枠の再利用の可否です。現行NISAでは、金融商品を売却しても非課税投資枠が復活することはありません。例えば、「一般NISA」で株式に100万円投資をしたとすると、その年の非課税投資枠の残りは20万円です。保有する株式を売却したとしても、その年の非課税投資枠は120万円には戻らず、残りは20万円のままです。

一方、新しいNISAの生涯非課税限度額は、投資資産の売却によって復活する仕組みに変わりました。これにより、非課税制度を活用してより積極的な売買が可能になるでしょう。

非課税保有限度額(2023年3月時点)

現行NISA 新しいNISA
一般NISA つみたてNISA 成長投資枠 つみたて投資枠
非課税保有
限度額(総枠)
600万円 800万円 1,800万円
(そのうち成長投資枠は1,200万円)

4つめの変更点は、非課税保有期間の無期限化です。

現行NISAでは、「一般NISA」は最長5年、「つみたてNISA」は最長20年と、非課税保有期間に限りがあります。そのため、保有期間終了時には投資資産を売却するか、課税口座に移管するかを決める必要がありました。

新NISAでは非課税保有期間が無期限になったことで、期間を気にすることなくじっくり運用することができます。

非課税保有期間(2023年3月時点)

現行NISA 新しいNISA
一般NISA つみたてNISA 成長投資枠 つみたて投資枠
非課税保有期間 最長5年 最長20年 無期限

5つめの変更点は、制度の恒久化です。現行NISAでは、「一般NISA」・「つみたてNISA」とも新規投資ができるのは2023年までと決まっています。そのため、NISAを始めるタイミングによっては、非課税投資枠を使い切れないケースがありました。

新しいNISAは制度が恒久化されるため、いつ始めるかに関わらず非課税制度を十分に活用することができます。「これから運用を始めたい」とか「資産運用に興味がある」と考えている人は、ぜひ利用を検討しましょう。

制度の恒久化(2023年3月時点)

現行NISA 新しいNISA
一般NISA つみたてNISA 成長投資枠 つみたて投資枠
制度実施期間 2023年まで 2042年まで
(買い付けは2023年まで)
2024年~恒久化

NISAは将来のための資産形成を促すべく、金融庁が推進する少額投資非課税制度です。現行NISAは2023年に新規投資可能期間が終了し、2024年に新しいNISAがスタートします。

新しいNISAは、年間投資上限額や非課税限度額が増額されたり、非課税期間が無期限になったりと、より非課税制度を活用しやすい仕組みに変更される予定です。

非課税制度を最大限に活用したいなら、2023年中に現行NISA口座を開設し、投資をスタートするのがおすすめです。現行の制度でスタートすることで、生涯非課税投資枠を「一般NISA」口座なら1,920万円(一般NISA年間最大投資枠120万円+新しいNISA生涯非課税限度額1,800万円)、「つみたてNISA」口座なら1,840万円(つみたてNISA年間最大投資枠40万円+新しいNISA生涯非課税限度額1,800万円)に増やすことができます。

非課税保有限度額(2023年3月時点)

現行NISA 新しいNISA
一般NISA つみたてNISA 成長投資枠 つみたて投資枠
非課税保有
限度額
新規投資額で
120万円
新規投資額で
40万円
生涯非課税限度額
1,800万円

現行NISAの口座を開設している場合、2024年に新NISA口座が自動的に開設されます。そのため、現行NISAでスタートしても「新しいNISA用の口座を開設する手間が増える」といったデメリットはありません。

非課税制度を活用した資金効率が良い資産運用を望むなら、ぜひ2023年中に口座を開設して、現行NISAでのスタートを検討してみてはいかがでしょうか。

記事提供:株式会社ZUU

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